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東京湾ホエールズ ( 2018-07-27 )

SPECIAL REPORT!! - Arzhan Suu -



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※敬称略

会場前、HOWLスタッフが看板に今日のジャンルをどう表現すべきか迷っていた。
オルタナティブロック?フリージャズ?「今日はArtです。」東京湾ホエールズのブッキングプロデューサー不破大輔は笑顔で言った。それを聞いてワクワクせずにはいられない。
Arzhan Suuはテルミンや口琴を主に操るヒカシューのリーダー巻上公一、ドラマーとして数々の打楽器と声を使った演奏をする佐藤正治のコンビ。
期待とともに始まるライブ。まず、尺八とドラムから。しかし何かが違う。

尺八は通常の演奏技法からどんどん逸脱していく。ドラムセットにも見慣れない打楽器が数個ある。
そしてほぼ同時にボイスパーカッションにも叫びにも聴こえる声を発していく。
全て即興で行われている演奏の中で巻上公一が使用する楽器?道具?は多岐にわたり、風船のゴムのような物を顔に押し当てて激しく呼吸する。
一見、めちゃくちゃであるかのように感じるが、これは間違いなくエンターテインメントだ。目からも耳からも楽しめるステージ。

大陸感。そんな言葉がしっくりくる。まるでユーラシア大陸を横断しながら様々な民族を一挙に見てるかのような壮大な演奏。
その中で時折見せる二人のコミカルな動きや振る舞い、それは今ままで十分に生きてきたある程度の大人ならば絶対に感じて笑える意外性。
本来、そう使うものではない物を楽器とし、そこから出てくる音は信じがたい上質さ。
「凄い」その感情があまりに溢れてくると笑いに変わる。会場にいた全員が同じ理由で笑っていたと思う。

口琴歴30年超の巻上公一。世界中で使われ、それぞれに異なる個性を持つこの楽器を数百も所有し、操る。
佐藤正治も巻上から譲り受け、口琴を使う。彼らの演奏はただ口琴を鳴らすには留まらず、同時に声を発する。
正直言って音楽素人である著者は目を凝らしてじっくり見ていても、どの音がどこから発せられているのか、全く理解が追いつかない。
Arzhan Suuは二人組。だが、この二人はきっとその数倍の声帯を持っている。
持ち合わせる声帯は女性、子供、老人、それにアンドロイド。どれが彼らの本当の声なのか、ステージを降りた状態で話をしないと判別は難しい。

尺八、テルミン、口琴、ゴム、スポーク、トランペット、そして声。彼らの使う楽器は世界中の民族からその技法を学び、本来の使用法を逸脱したオリジナルを作り出している。
終盤に登場した最後の楽器は、ある意味世界中で使用されているもの。そう、エアコンのホースだ。
これを楽器としてステージに持ち込もうと考えることができる人がどれだけいるだろう。いや、ほぼいないだろう。
ホースから奏でられる音は間違いなく管楽器のそれであり、声も交え、レポートを書く著者を更に戸惑わせてくれた。
終始、難解でコミカルなステージは3部に渡って行われ、回を追うごとに拍手の大きさも増していった。
最後にもう一度言うが、今夜、著者はとてもワクワクした。
わかりやすい音楽とか、音を把握できるとか、東京湾ホエールズに関わるようになってから、そういう定義そのものがむしろわからなくなって来た気がする。
果たして理解しやすくキャッチーなことが音楽の楽しさなのか。逆に耳で聴いて頭で噛み砕くことが楽しさなのか。
とにかく、彼ら二人のつくる世界感は、誰にでも通ずる楽しさを持ち合わせている。
インプロビゼーション、実験音楽。取っ付きにくいとされがちな音楽の中でも、非常に難解かつ非常に楽しいステージ。その矛盾があり得ると言うことを知る、貴重な一夜だった。


7月24日 出演者: Arzhan Suu(巻上公一 / 佐藤正治)
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

White Elephant(玉井夕海 坂本弘道 中山貴踏 不破大輔)
2018.07.31(tue) 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者:

玉井夕海 プロフィール : 1977年東京生。ウタウタイ。渋さ知らズ。東京藝術大学建築科在学中、宮崎駿アニメーション演出家養成講座『東小金井村塾2』修了。声優として映画『千と千尋の神隠し』リン役、テレビアニメ『亡念のザムド』紅皮伊舟役。映画『もんしぇん』では共同脚本・主演・音楽(Psalm)を、2011年4月から始まった旅の記録映画『White Elephant』では映像作家・神田光と共同監督を務める。 2013年渋さ知らズメンバーとなり、2015年、渋さ知らズ主宰・不破大輔プロデュースによるアルバム『MOTHER SUN』(FUWA WORKS&地底レコード)リリース。2017年9月には、映画『NOT LONG,AT NIGHT』でタッグを組んだ映画監督・遠山昇司とのコラボレーションによるアートプロジェクト《ポイントホープ》もスタート。2017年7月よりWISE OWL HOSTELS TOKYO後援『東京湾ホエールズ』プロデューサー。

坂本弘道 プロフィール : 多種多彩なセッション及びソロ、「パスカルズ」などのバンド活動、早川義夫、遠藤ミチロウ、友川カズキ、UA、川上未映子、荒井良二、中村達也、七尾旅人など、共演・サポート多数。近年は寺十吾の演出作品を中心に数多くの舞台音楽を手掛けている。シスカンパニー『グッド・バイ』『草枕』『遊侠 沓掛時次郎』『黒塚家の娘』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』、近藤公園・平岩紙 二人芝居『あたま山心中~散ル、散ル、満チル』、『関数ドミノ』、流山児事務所『オケハザマ』、シビウ国際演劇祭参加作品・台湾阮劇團×流山兒事務所『馬克白:マクベス』等々。音楽ドキュメンタリー映画『WeDon't Care About Music Anyway』(監督:セドリック・デュピール & ガスパール・クエンツ)出演。音楽監督として映像作品では、『緑子/ MIDORI-KO』(監督:黒坂圭太)、『zone存在しなかった命』『みえない汚染 飯館村の動物たち』(監督:北田直俊)、『きよこのくら』(監督:中村智道)等々。音楽フェスティバル「JAZZ ART せんがわ」プロデューサー。

中山貴踏 プロフィール : Rhyzm underground 〜新世界〜 15歳からSTREET DANCEをはじめ、21歳でTAPに出会う。2006年 熊谷和徳氏 青山円形劇場5DAYS公演"TAPPERS RIOT"をきっかけにKAZ TAP COMPANY"TAPPERS RIOT" オリジナルメンバーとして、全国劇場公演、LIVE、ワークショップ、TV出演などメディア出演等を経て、2013年に地元福島へ拠点を移す。県内、県外劇場公演、舞台構成、演出、振り付け、ART PROJECT 、LIVE、WORK SHOP 、文化庁委託事業アウトリーチ、メディア出演等の活動。2017にFUKUSHIMA TAP PROJECT を立ち上げ、福島から全国、世界を繋ぐ事を目的とし、TAP本来の意味であるRHYZM をMESSAGEとして伝える事を念頭に黒人文化で育まれたTAPの歴史と文化、TAPという芸術に敬意と誇りを持ち精力的に活動中。そして2018より新たなPROJECT“UNDERGROUND CONNECTION” を沖縄から始動開始。

不破大輔 プロフィール : 1959年札幌生.フリージャズのベーシスト。渋さ知らズ主宰。’80年代に「のなか悟空人間国宝」「フェダイン」に参加。’89年「渋さ知らズ」結成。国内海外様々な場所で演奏。「風煉ダンス」「翠羅臼」「呉一郎」「発見の会」「戌井昭人」など劇伴作曲多数。プロデューサーとして、佐々木彩子、南波トモ子、玉井夕海、十中八九、チョビ渋、川下直広カルテットの音源を手掛ける。最新作は、渋さ知らズ『渋樹』。2000年代後半から各地でワークショップを行い、札幌では2010年より小学4年生から高校1年生の30名の子どもたちと3年間バンドワークショップを経験する。名前は「チョビ渋」。2017年7月より、WISE OWL HOSTELS TOKYO後援『東京湾ホエールズ』ブッキングディレクター。


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