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東京湾ホエールズ ( 2018-06-29 )

SPECIAL REPORT!! - 片山広明4サックス 四菅獣 -



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※敬称略

東京湾ホエールズでは三度目となる対バンによる今夜のライブ。
一番手は渋さ知らズの4番バッター片山広明を筆頭に、鬼頭哲、立花秀輝、最年少の松原慎之介。百戦錬磨のベテランメンバーを主としている片山広明4サックス。
まるで練習スタジオに入ってくるかのように、ゆるっと自然にステージに立つ。
演奏が始まると、そのメンバーたちの自然な振る舞いの中に見える確かな重厚感と貫禄。そして少しお茶目なトークや型を外す演奏。
このメンバーの中で圧倒的若さの松原慎之介もそのメンバーたちの中にいて全く臆した様子もなく、彼の若さとはギャップのある貫禄と技術を早くも見せつけてくれる。

立花秀輝はこの日、飛び抜けてトリッキーな演奏だった。以前出演したステージでもサックスのスタンダードな演奏からはかけ離れた技に驚かされたが、今夜も健在。足をミュートの様に使う、ネックを取っ払う。それでいて奏でる音は正確かつダイナミック。奇を衒うこと以上の確かな力があるからこその”立花秀樹”というスタイル。
鬼頭哲のバリトンサックス。このバンドにおいて彼はパーカッションでもあり、ベースでもあった。一音一音が飛び出てくる様なインパクト。インプロビゼーションのパートを多く含んでいる全体感の中にいて、絶対的なリズムと道標べを創り出し、さらに厚みをもたらす。
片山広明はメンバーの中で一番ラフな雰囲気を身にまとって演奏する。しかしソロパートになった瞬間、彼のこれまでの音楽人生が一気に溢れ出すように奥深く、太く、突き抜けるような演奏。
サックスを使った約45分間の会話。それぞれの想いやスタイル、個々がそれらを自由に楽しみ披露しあう。このバンドにはそんな余裕と格があった。

2部は一転して若手メンバーを中心とした四管獣。こちらもサックス4人編成。
全員が黒塗りのサングラスをかけ、黒を基調とした衣装。そこに紅一点、纐纈雅代。モダンな雰囲気の中、スピード感とエッジの効いたステージが始まった。
サックス4人編成のジャズライブ、ここまでは前半と同じだが全く雰囲気は違う。これは若さなのか、世代なのか、今夜はとても面白い。
RIO、今夜は彼の作曲が多く演奏された。これを20そこそこの青年が作曲したのか、驚きとともに感動を覚えるメロディ。バリトンサックスしか演奏しない、という彼のスタイル。トークでの鬼頭哲に対する想いや演奏する姿から彼がどれほどこの楽器に惚れ込んでいるのか見て取れる。

上運天淳市、冷静沈着に演奏する彼の姿。その演奏技術は確かなもの。そして表情にこそ変化はないが音に現れるアップダウンは素晴らしく、低音から高音まで輪郭がぼやけることが無く、迫力に溢れた演奏を披露してくれた。
佐藤敬幸、正確無比な旋律。直立不動でストレートに響いてくるその音。今回の対バンを象徴する前後半のギャップを創り上げる上でのキーパーソンと言える軽やかではっきりとした演奏。
纐纈雅代、唯一の女性メンバーであり、その華奢で可憐な見た目とは裏腹に激しく情熱的な演奏。音楽においては男女間に差はないんだということを痛感させられる。
完成度の高さと個々の技術、メンバーの情熱。それらをこの若さですでに手にしている四管獣。これから先、更なる経験を得てそこに芳醇さや深い豊かさを加えられたなら、どれほどまでに希少で貴重なバンドに変貌していくのだろう。
RIOがステージで鬼頭哲の技術に脱帽したことを語ると、「焦るな!」と立花秀輝から声がかかる。その言葉こそが今夜の意義なのかもしれない。

最後は圧巻のサックス8人編成でアンコール。
ここHOWLの空間にこれだけの光景が繰り広げられたのは初めてだ。音を鳴らさずとも視覚から得る迫力だけで十分圧倒されるが、いざ演奏を始めると後ろに尻餅を着いてしまいそうになるほどの衝撃。
そこで繰り広げられる世代を超えた”会話”は、一流のベテラン音楽家が一流の若手音楽家へタスキを渡していくかのような、何かを伝授していくかのような、そんな光景。
きっと四菅獣のメンバーにとって今夜は忘れられない、貴重なステージとなったであろう。
そしてそれを目撃した観客たちにとっては彼ら以上に貴重で有意義な時間になったであろう。
演者、観客、関係者、誰にとっても成長や発見の機会が必ずあるこの東京湾ホエールズ。今夜もちょっとした奇跡を残して、消え去っていく。


6月26日 出演者: 片山広明4サックス / 四管獣
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

Dead Man's Liquor
2018.076.3(tue) 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者: Dead Man's Liquor (高岡大祐tuba 後藤篤tb 桜井芳樹g 瀬尾高志b 藤巻鉄郎ds ゲスト板橋文夫pf)

Dead Man's Liquor プロフィール : 俳高岡大祐率いるAlternative New Orleans Band。既存のニューオリンズ音楽にとらわれず、爆発的に吹き荒れる重低音ホーンズと自在に変化するリズム隊が強烈なインプロヴィゼーションと共にグルーブを叩きつけるダンスミュージック。 さらにスペシャルゲストとしてジャズ・ピアニスト板橋文夫が初共演!お互いの楽曲を今回特別編としてアレンジしてのスペシャル・ライブです。

板橋文夫 プロフィール : 栃木県足利市生まれ。国立音大付属高から音大進学後、学年トップクラスのクラシックからジャズに転向。以後、渡辺貞夫、日野皓正、森山威男グループを経て、エルビンジョーンズ(ds)やレイアンダーソン(tb)とのワールドツアー、自己のトリオやミックスダイナマイトでの活動、全国の幼稚園、小中学校での演奏交流、アフリカツアー、幅広いジャンルの芸術家との交流など、全身汗びっしょりになりながらの激しく且つリリカルなピアノは、聴衆の心を打たずにはいられない。名実共に日本を代表するジャズピアニストである。 横濱・JAZZ・プロムナード・フェスティバルの第2回より出演し、毎年大トリを盛況に務め、話題を呼んでいる。2010年、札幌在住の瀬尾高志(b)・竹村一哲(ds)とトリオ『FIT!』を結成。2011年、東日本大震災から1ヵ月後,余震で揺れる中[かながわアートホール]でアルバム『NEW BEGINNING』を録音。東北を皮切りに全国ツアーを行ない、横浜や鹿児島のジャズフェスティバル、NHK-FM SESSON2013にも出演し好評を博した。支援金CDを作成するなど、東北支援の活動を続けている。 2014年板橋文夫第2弾「2nd Step」、2015年第3弾「みるくゆ」、2016年「Alligator Dance 2016」リリース! 映画音楽も多数手掛けており、柳町光男監督「19歳の地図」、萩庭貞明監督「さまよえる脳髄」、台湾スタン・ライ監督の「暗恋桃花源」、香港映画クリストファー・ドイル監督初作品「A Way With Words 」(邦題“孔雀”)、故・若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』など。 <ジャズと はなにか?><即興と作曲とは?>、<音楽とは?><生きることとは?>と常に音楽の源流を模索し続けている。 チョッパーでグリッサンドで煽りたて疾走するピアノの奏でる音楽 は、時に強く、そして時にやさしくあたたかい!


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