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東京湾ホエールズ ( 2018-06-14 )

SPECIAL REPORT!! - 渋谷毅 石渡明廣 外山明 金子マリ -



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※敬称略

どこからカメラを構えようか悩むほど会場前から超満員となり、熱気に溢れた今夜の東京湾ホエールズ。
渋谷毅pf、石渡明廣gt、外山明drにゲストボーカル金子マリを迎えた今夜のメンバー。
三人の奏でる音は楽器を撫でるように軽やかで、優しい。ステージ上にいるメンバーたちの風貌からは想像できないメロディでライブはスタート。

石渡明廣はギターを手にしているが、オクターバーを駆使してベースのように演奏の土台を作っていく。これまで彼らの演奏を何度となく見てきた観客に聞くと、オクターバーで音域を下げることは誰にでもできる、しかしここまで綺麗に、そして深い演奏をできるのは彼だけ。そう嬉しそうに語っていた。
外山明のドラムはドラム、と言うよりもサウンドエフェクトのように時にランダムに、時に激しく、演奏を盛り立てる。彼のドラムはおよそ一般人の想像するドラムではない。なんと表現していいのか難しいが、「ルートから外れながら、最良のゴールにたどり着く」そんなイメージだと思う。
そして渋谷毅、ピアノ。とにかく優しさに溢れた透明度の高い音色。心地いい弦の響きが会場に広がっていくと、今夜のライブがどれほど素敵なものになるのか、期待せずにはいられなかった。

中盤、金子マリがステージに登場する。
歌いはじめは三人の演奏の中に彼女が入ってきたことを強く意識させられる。しかしものの数分後には、もともとこのメンバーでバンドを組んでいるかのように絶妙にマッチングする。
彼女の歌声は時に大木のように太く、時に消えゆく風のように細く、力強さと非力さが同居していた。
そのコントラストは大きな愛で全てを包んでくれる母親のような存在だった。

一部もそろそろ終わり、と言った雰囲気の中、「一旦休憩します」と金子マリ。ステージから下がっていくメンバーを尻目に一人ピアノを弾き始める渋谷毅。
多分、今、このタイミングで弾きたかったのだろう。自由な演奏は観客を笑顔にし、他のメンバー達も自然とステージへ足を向ける。
一部のアディショナルタイム。余白であるこの時間だからこそのメンバー達の緩やかな表情。なんともかっこよく、「粋」を感じる瞬間だった。

二部も三人による演奏からスタート。このバンドのメンバーは一人一人が間違いのない世界と腕を持っている。
普通、一流の世界と演奏を目の当たりにする時、多少なりとも構える必要があり、「聴く」と言う行為を意識する。
しかし、全く気構えることなく、ただそこにいるだけで今夜の演奏の幸せを感じ、彼らの世界を垣間見ることができる。
ある意味でこれは人を堕落させる。勉強せずとも、知識がなくとも、それでいいように思える。
後半も途中から金子マリが加わり、圧倒的独創をもって三人と同調していく。

観客は満員、動く場所もない。もうカメラを構える時間を減らそう。勿体無い。
そう思いバーカウンター内で演奏に聴き入る。バーテンダーは目を閉じて聴き入り、ドリンクのオーダーにも気がつかない。
オーダーしたお客も笑っている。今夜はそれでいいし、それも一つの演出のような気がしてくる。
途中から訪れた外国人たちもカメラを向けるのをやめ、ただ演奏に身体を揺らす。それでいい。
誰もが幸せな時間を共有できたことを嬉しく思いながら、ライブは終了。アンコールは渋谷毅ソロで『Danny boy』。
自分の元を去った息子を想い歌われた歌。
彼は何を想い、最後の曲にこれを選んだのか。一瞬、時が止まったかのように、皆動きを止め、息も少なく、耳だけに集中して堪能する。
これだけの人が会場にいるにも関わらず、涙が出そうになるほどの美しい音色だけが全てを包みこみ、幕を閉じた。


6月12日 出演者: 渋谷毅 / 石渡明廣 / 外山明 / 金子マリ
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

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ショローCLUB 芳垣安洋ds 大友良英g 不破大輔b
2018.06.19(tue) 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者: 芳垣安洋ds 大友良英g 不破大輔b

ショロークラブ プロフィール : オルケスタリブレ、オルケスタナッジ!ナッジ!、アルタードステイツ、ROVO、文学座での演劇音楽など強靭なリズムで支える芳垣安洋(ds)、ノイズミュージックや即興音楽、多くのTV/映画音楽を担う大友良英(g)、渋さ知らズのダンドリストであり、ジャズ界のみにとどまらずベースを鳴らし続ける不破大輔(b )、この1959年生まれの3人により2016年に結成。この年の11月初ツアーで京都、大阪、名古屋を周り各地で大盛況。自分たちの背景や様々なる思いを共鳴し合いながら好きな事を思いっきりやるという広く深く軸のある演奏は、この3人にしかできない音の世界を新たに生み出している。2017年6月、1stアルバム『from1959』を発表。初ツアーでのtokuzoダイブを収録しゲストには盟友山本精一を迎えた。リリースに合わせ東京では1日のみレコ発ライブを敢行。周年9月、大友良英がゲストディレクターを行なった札幌国際芸術祭に召喚される。2018年1月、名古屋と大阪でプチツアー敢行。不定期ながらも、さらなる先へと活動中。

大友良英 プロフィール : 音楽家。ギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家/映画音楽家/プロデューサー1959年8月生れ。十代を福島で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽をつくり続け、その活動範囲は世界中に及ぶ。映画音楽家として数多くの映像作品の音楽を手がけその数は80作品を超える。近年は、「アンサンブルズ」の名のもとさまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊携帯のコンサートを手がけるのと同時に、障害のある子どもたちとの音楽ワークショップや一般参加型のプロジェクトにも力をいれ、2011年の東日本大震災を受け福島で様々な領域で活動する人々と共にプロジェクトFUKUSHIMAを立ち上げその活動は現在も続く。2013年には『あまちゃん』の音楽でレコード大賞作曲賞他多くの賞を受賞。2017年札幌国際芸術祭のディレクターを終え、11月から2018年は文化庁文化交流使として中南米、東南アジア、欧州へ派遣。来年はNHK大河ドラマの音楽を手掛けるなど多岐に渡り活動中。最新著作は自身の幼少期から青年期の自伝「僕はこんな音楽を聴いて育った」(筑摩書房)

不破大輔 プロフィール : 1959年12月生まれ。国内外問わず、圧倒的なパフォーマンスで表現し続ける唯一無二の巨大最強バンド、渋さ知らズの創設者でもありダンドリストであり、ベーシスト。フェダイン、川下直広カルテット、fuwa works のみにとどまらず活動するベーシストである。渋さ知らズでの活動と併せ、多方面でのフリーセッションもさることながら、近年では多数のワークショップなど、現場での伝導、育成にも力を注いでいる。CD制作においては渋さ知らズの他、佐々木彩子、南波トモ子、玉井夕海、十中八九、チョビ渋など多数のアーティストの作品をプロデュースしている。2016年には14年ぶり2度目となる世界最大級のグラストンバリーフェスティバルへ渋さ知らズオーケストラにて出演。渋さ知らズ、the space baa、川下直広カルテットではアルバムをリリース。2017年7月からは、東京湾ホエールズというスペシャルチームを結成。新たなる場を作り上げ、さらに音楽シーンを牽引し続けている。)

芳垣安洋 プロフィール : 1959年2月生まれ。ジャンルを飛び越えてビートとメロディーを紡ぐ打楽器奏者。兵庫県出身。90年代、モダンチョキチョキズ、渋さ知らズ、Ground Zero、ROVO、DCPRGなどのジャズ〜アヴァン・ポップを牽引したバンドのメンバーとして活動。大友良英、スガダイロー、山下洋輔、坂田明、菊地成孔、柳原陽一郎、おおはた雄一、UA、ROLLYなど、様々なミュージシャンと共演。大編成ジャズグループ「オルケスタ・リブレ」打楽器アンサンブル「オルケスタ・ナッジ!ナッジ!」など多様なグループを主宰。海外公演も多数。「リズム&ドラムマガジン」にコラムを連載中。文学座などの舞台演劇や映画の音楽制作にも数多く携わる。主宰バンド、オルケスタ・リブレでは、ROLLYとのコラボ・アルバムをリリース、FUJI ROCK FESTIVALに出演。2017年は新バンドMoGoToYoYo結成、夏にはコペンハーゲンジャズフェスティバルに出演、今年は三文オペラの再演などを経て、世界中で活躍中。

©︎大橋祐希


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