Go to English site →


東京湾ホエールズ ( 2018-06-08 )

SPECIAL REPORT!! - 早瀬マミ・福島健一・スガメス ジャポン・金澤力哉 -



※画像をクリックすると拡大します
※敬称略

今回の東京湾ホエールズは、女優 早瀬マミ、サックス福島健一、ピアノのスガメスジャポン、ベース金澤力哉。
このメンバーでのステージは今回が初めて。何より早瀬マミの肩書きは女優、パフォーマー、モデル、ナレーター。ここに、歌手。の文字はない。
その早瀬マミをメインにブッキングをした音楽家・不破大輔の思惑がステージでどのように現れるのか。
これまでとはまた違った、妖しさと華やかさを持ったステージが”開宴”した。

予定時刻を少しすぎた頃。静まり返った舞台奥から、短い金髪のかつらを被った早瀬マミが現れた。
トライアングルを、ちーん、ちーん。と鳴らしながら辺りを見渡し、ゆっくりと歩き回り始めたのを合図に、バーで呑んでいたバンドメンバーが立ち上がってそれぞれの持ち場へと向かう。
早瀬の変身ぶりにあっけにとられる。Tバックの上に網タイツ。スカートの代わりに腰に巻かれた白いフリルのエプロンがかろうじて下半身を隠してはいるものの、彼女が振り返る度に弾けそうなお尻が見えて、カメラを向けていると、必要のない罪悪感、戸惑い、使命感、そんな複雑な感情が押し寄せる。
HOWLが一気に芝居小屋へ。時折音を確かめながら、クルト・ヴァイルのメロディーを彷徨い歌う早瀬。ゆらゆらと靄がかかるように進行していくショー。舞台の中心に立つ早瀬のぶれることのない意志が、演奏者の内面と響きあい引力を生み出しながら、妖艶な彼女をより一層引き立てる。立ち上る『三文オペラ』の世界。

早瀬に寄り添い、支える三人の奏者達。だがソロ回しの場面になると一転。伴奏から逸脱し、己のもっとも尖った部分を披露する。歓声は回を増すごとに増え、その度に「してやられた」といった表情が目に入ってくる。圧巻のパフォーマンス。
カメラを片手に訪れたファンも数人いたが、ソロが終わるたびにカメラを置き、一所懸命に拍手を送っていた。

二幕目冒頭。まずは、福島健一・スガメスジャポン・金澤力哉の三名が衣装を変えて登場。
前半の演奏とは空気ががらり、力強さや荒々しさ、そして都会的な雰囲気が増す。
東京湾ホエールズにキャスティングされてきた演奏者の中では比較的若い彼らの勢いやトレンド感、それらを前面に押し出したアトラクティブな音がHOWLを包む。

ミュージシャン達の個性がぶつかり合う演奏がひとしきり披露され静まっていく中、打って変わって、黒いタキシードを身に纏った早瀬マミが登場。その姿はまるで歌劇団のトップスターのようにステージに光をもたらす。
演奏を担当する三人の男性にも全く引けを取らないその力強くマニッシュな眼差しは、男である著者が見ても羨ましくあった。
東京湾ホエールズではこれまでにも多くのパフォーマンスが繰り広げられてきたが、どの魅力ともまた違った新しい感覚。
言葉にするのはここまで難しいことかと改めて実感するほどに未知の感覚。
ただ、一つだけ言えることは、その難しさや形容しがたい魅力、それこそが東京湾ホエールズ。

1928年8月31日、ベルトルト・ブレヒトの台本にクルト・ヴァイルが音楽をつけ、降板や大幅なカットなど様々なトラブルの中幕をあけた「三文オペラ」。
失敗は間違いないと思われた継ぎ接ぎだらけのこの作品は、予想を裏切り賞賛されることになる。そこから約二年余の短期間で120会場を超え、4000回以上の上演が行われる大フィーバーとなった伝説の名作。
芝居ではなく、音楽を主としたライブステージを自ら構成し、立つことは今回が初めての試みだったという早瀬マミ。演奏の三人とのセッションもこれが初めて。表現をするということに絶対的な芯を持って立つ早瀬と、彼女のクルーが果敢に挑んだ今宵の<クルト・ヴァイル ナイト>。
「生まれたての子羊が立ち上がるような心細さで」迎えたというこの日、その不安を微塵も感じさせぬ圧倒的な強さで、ここHOWLの音楽イベント・東京湾ホエールズにおいて見事にやりきった女優・早瀬マミへの賞賛に包まれ、ライブは終了。
彼女をブッキングした不破大輔はきっと、彼女のその力に可能性を見たのだろう。ともあれ、大成功と言える今夜。これからの東京湾ホエールズに新しい何かをもたらすきっかけとなったに違いない。


6月5日 出演者: 早瀬マミ / 福島健一 / スガメス ジャポン / 金澤力哉
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

]

渋谷毅 石渡明廣 外山明 金子マリ
2018.06.12(tue) 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者:渋谷毅p / 石渡明廣g / 外山明ds / 金子マリvo

渋谷毅 プロフィール : 1939年東京都生まれ。ジャズピアニスト、作曲家、編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科中退。芸大付属高校2年の時、エロール・ガーナーを聴いてジャズに興味を持つ。同い年のジャズ・ピアニスト、プーさんこと菊地雅章とは高校三年間を共にしている。東京芸術大学在学中よりジョージ川口とビッグ4、沢田駿吾グループなどでピアニストとして活動。1960年代前半より作曲家・編曲家として歌謡曲、映画、CMなど数多くの作品を手がける。1975年に自身の率いるトリオを結成し、初のリーダー作『ドリーム』をはじめ、2枚のアルバムを発表する。1986年に従来の典型的なビッグバンド・スタイルから解放された “渋谷毅オーケストラ” を結成し、これまでに6枚の作品を発表。2017年現在も活動の中心としている。1990年代より渋さ知らズに参加。川下直広、不破大輔、芳垣安洋の三人と “RAdIO” を結成し、同名のアルバムを残している。1999年にデューク・エリントンの作品をレパートリーとするグループ “エッセンシャル・エリントン” を結成し、これまでに3枚の作品を発表。2007年から渋谷毅オーケストラのメンバーとのデュオ作品を発表。70歳を超えた現在も、月に15本以上のペースで精力的にライブ活動を行っている。ヴォーカリストからの信頼も厚く、浅川マキ、金子マリ、木村充揮、酒井俊、小川美潮、小沢健二など数多くのヴォーカリストのギグやジャム、レコーディングに参加している。また、1980年代からは作曲家としてNHKの『おかあさんといっしょ』等の子供番組に数多くの作品を提供している。

石渡明廣 プロフィール : 1958年8月27日神奈川県横須賀生まれ。ジャズ・ギタリスト/ドラマー。渋谷毅(p)オーケストラ、片山広明(ts)、梅津和時(as)のグループなどで活動し注目される。渋谷オケでは多くの楽曲も提供する中心メンバーのひとりである。96年に林栄一(as)をフロントに据えた自己のグループ“MULL HOUSE”の初アルバムをリリース。その後、同グループを中心に、峰厚介(ts)、秋山一将(g)のグループにも参加するなど活動は広い。

外山明 プロフィール : 斬新なドラムセンスとテクニックで独特の磁場を創り出 し、ジャンルを問わず幅広く活動するドラマー。 24歳の時『坂田明DADADAオーケストラ』『日野皓正・HAVATAMPA』に参加。この頃から様々なセッション活動を行い、その後『渡辺貞夫グループ』 『松岡直也スーパー5』『Tipographica』などで活躍。キューバ、インド、西アフリカなどの多くの国を旅し、音色とリズムの幅を広げる。近年は単身ギニアに渡り、ギニア国立舞踊団のバラフォニストに手ほどきを受ける。 現在は<外山・大儀見DUO><ラクダカルテット><BOZO><松風鉱一カルテット><渋谷毅><MULLHOUSE><eEYO idiot><UA>他で活動中。

金子マリ プロフィール : たとえワンフレーズでも耳にしたら、決して忘れることのできない唯一無二の強烈な個性を持った天性のボーカリスト。70年代前半から活動を始め、数々の伝説のバンドで圧倒的な存在感を放つ。近年はソロ・アーティストとしての活動も活発で、ソロ通算5枚目となる最新作「金子な理由」では自身の思い出深い楽曲を、変わらぬブラック・フィーリングで「金子色」に染め上げている。現RIZEのメンバー・金子ノブアキ(drums)・kenken(bass)の母親でもある。


ABOUT | MENU | MONTHLY | TOPICS | RENTAL SPACE | ACCESS | RECRUIT | CONTACT

©︎2017- SOUND & BAR HOWL