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東京湾ホエールズ ( 2018-05-16 )

SPECIAL REPORT!! - Moon♀ Mama a.k.a. PIKA -



※画像をクリックすると拡大します

今回の東京湾ホエールズは、ロックバンド「あふりらんぽ」でドラムボーカル、過去にはYOKO ONO PLASTIC ONO BANDのパーカッションを担当するなどロックだけにとどまらず、インプロビゼーション、ノイズ演奏など国内外で活躍するMoon♀ Mama a.k.a. PIKAのソロステージ。
ステージに立った彼女の吐息が会場に響き渡り、”海”という言葉とともに演奏が始まる。
静かに、そして力強いシンバルの音、少なくともこの瞬間までは自分の心も平常を保ってシャッターを切っていた。

穏やかな海のイメージ、そんな情景を連想していたのもつかの間、突如押し寄せた大波と嵐。まさにそんな感じだった。
「航海は甘くない、ここはもはや大嵐で沈没寸前まで追い詰められた船の上。」普通なら”そんな情景を頭に浮かべる”ところだが、今日はなぜか本当にそのシチュエーションに置かれたような、そんなスリルを背中で感じとる。
でも逃げたいわけじゃない。惹き込まれる。言葉で表すのは難しいが、そんな演奏。
ドラムソロの凄まじさにあっけにとられていると、ピタッと演奏が終わる。その後のあっけらかんとした彼女のトーク。ビールを片手に、拙くも奥行きのある言葉で会場を沸かせる。
東京湾ホエールズの玉井夕海、PIKAとは絶対的な信頼で結ばれている。彼女もステージに上がり、即興で歌う。

今日の出演者は、少なくとも私の知る玉井夕海ではなかった。
”玉井夕海 Drs”。おもむろにドラムセットの前に腰掛ける玉井。「まさかね。」なんて思った矢先、バスドラムを思いっきり鳴らす。そしてスティックを手にとり、パワフルなリズムを刻み始めた。
彼女はウタウタイ、楽器はピアノかアコーディオン。約一年間、ここHOWLで彼女を見てきた私は、いつ練習してたのか?これも即興なのか?音楽人はいきなりこれくらいできてしまうのか?様々な疑問が湧き上がり、パンクした。一瞬停止した思考回路の中、とりあえずシャッターを押すのが精一杯。
そこにPIKAのボーカル。この二人のセッションはまるでこどもが全力で遊びきる様な、やっている本人たちが一番楽しんでいる様な、見ている側に元気を分け与える、そんな力のある演奏だった。

休憩を挟み、二部がスタート。
タムドラムのみを持ち出し、叩き始める。音階もなく、音色も変わらない、一つの打音のみで広げられていくPIKAの世界。
叩いたら音がなる物、なんでもいいから一つ彼女に渡せばきっと”PIKA”という表現ができてしまうんだろう。叩き、そして踊る彼女は一部の最後で見せた少女の様な顔から激情の顔に変わっていた。

演奏を続けながらタムドラムをドラムセットに戻し、一気に加速させていく。
小柄で妖艶な女性から打ち出される音ではない。一体どれほどの熱量を持っていればここまで聴く人の中に音を打ち込んでいけるのだろう。
正面からの絵を抑えたくて目の前に行った瞬間、さらにスピードを増すドラムに一瞬腰を抜かしそうになりながら、今この瞬間にこのポジションに来た自分のタイミングに感謝した。恐らく今、この会場の中で一番いい音を自分が聴いている。関係者でありながらも嬉しくなる。

最後ギターを持ち、また別人になるPIKA。
さっきまであんなにドラムを叩いていた人はどこに行ったのだろう。本人もMCでいう様に全く違った世界観。優しく、穏やかで、少女の様な立ち姿。
幼少期に見た「母が死ぬ夢」。お母さんを歌った曲で、自分も昔見たそんな夢を思い出し懐かしく思う。
最後は玉井夕海もステージに上がり、今この瞬間の幸せを噛みしめる様に、目を合わせ、微笑み合い、涙しながら歌う。
ライブ終了後、どちらが本当の自分なのかをPIKAに聞いてみた。「どっちも自分。」さらっと答える彼女。人間誰しも多面性は持ち合わせているものだが、真逆の一面を持ち、あそこまで振り切っている。普段一つのライブではどちらか一方の表現をすることが多いと話していたが、今回はその両方を見せてくれた。
その貴重な瞬間をつくってくれた東京湾ホエールズ。ここでは見逃すべきではない”何か”が毎週起こり続けている。
今日の”何か”も帰りの足取りを軽くしてくれるには十分な満足感。観客たちはこの日PIKAから大きなエネルギーを貰い、ライブ終了後も余韻とともに語り合う観客たちは皆笑顔で帰路について行った。


5月15日 出演者: Moon♀ Mama a.k.a. PIKA
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

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さがゆき anil eraslan ~public recording live~
2018.05.22(tue) 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者:さがゆき / anil eraslan

さがゆき プロフィール
東京出身。5才にして歌手になることを決意。 言葉を伴う「うた」を歌う歌手であると同時に、言葉の伴わない「声」を楽器としたフリーキーで幻想的な「完全即興」を歌う稀有な存在でもある。 フランス「Jazz in JapanⅥ」、アムステルダム「メシアン記念音楽祭」、インド「ジャズヤトラー音楽祭」、 オランダ「Northnetheland Jazz Festival」、韓国「アートフェスティバル」、等に出演するなど海外での活動も多い。高橋悠治作曲「眼の夢」の初演、舞踏家の大野一雄や詩人の谷川俊太郎との共演…等、様々な現代のアートにも自在に出入りする。

Anil Eraslan プロフィール
チェリスト、コンポ―ザー、写真家。クラシック、現代音楽、ジャズ、即興音楽を主に演奏。トルコ南西部の都市、ブルドゥルに1981年生まれる。その後フランスに移り、strasbourg conserystory(ストラスブール国立音楽院)で学んだ後著名なアーティストとのコラボレーションを重ねる。数々の賞を受賞。現在は世界中からのオファーを受け、パリ、ストラスブール、ベルリン、イスタンブールを拠点に多忙な音楽活動をしている。 Hosek Contemporary(ベルリン)でのさがゆきとの共演の反響がきっかけとなり、今回、初来日の運びとなる。


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