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東京湾ホエールズ ( 2018-04-30 )

SPECIAL REPORT!! - 山口コーイチ つの犬 松本健一 -



※画像をクリックすると拡大します

4月最後の東京湾ホエールズ。
ここHOWLのステージにも過去何度か参加してくれた山口コーイチ、尺八とサックスを操る松本健一、80年代からジャズシーンで活躍を続けるドラマーつの犬の三人。
冒頭、ドラムのバチを落とす音、鍵盤蓋を開ける音、尺八を叩く音、それらを音楽として演奏を始める彼ら。
即興中の即興で創り出す”東京湾ホエールズ感”。私自身、久々に感じるこのなんとも不思議な感覚。

どこに中心があり、誰がリードしているのか、そんなことすらわからない。そもそも中心・リードなんて考え方自体が彼らの音楽にとっては存在しないのかも知れない。
松本健一は尺八から、HOWL全体に染み渡っていく、清い音。山口コーイチのピアノは猫が軽やかに走り回るかのような軽快さをみせ、そこにつの犬のドラムが剣山のような緩急と躍動感をプラスする。

このトリオは本当に不思議な感覚を与えてくれる。
幼少の頃に家にあった「注文の多い料理店(宮沢賢治)」を読んでいる最中の、少し不気味で、もどかしくもあり、そして引き込まれいく。あの感覚に近い。
あれは何度読んでも必ず訪れる、魔法のような感覚だったことを思い出しながら聴き入る。
今日はリハーサルも音を合わせるだけ、何かの曲を演奏している訳でもないのに、こうも鮮明にイメージを浮かばせることができるのか。

約30分ハーフの一部が突如終わりを告げた。その様子は終わりすらも決めていなかったことが伺える。
だが演奏はピタッと止まる。三人が三人とも”ここ”という感覚がシンクロしているようだった。
しばしの休憩を挟み、後半戦。つの犬がシンバルを倒す。事故なのか故意なのかわからなかったが、それを笑いながら立て直す彼をみて、どっちでもいいか。そう思う。

終盤、つの犬のドラムが怒涛のピークを演出する。まるで一気に解放されたダムが大量放水するかのような、終わらない連打。
「譜面を覚えて演奏する」、もうとっくにそんな次元にはいない。彼のインスピレーションとその場のテンション。それに同調するように激しさを増し、椅子から何度も立ち上がってピアノを叩く山口コーイチ。そしてサックスの管を通って呼吸の一つ一つまで聴こえてくる松本健一。
最後の最後に明確なリズムとメロディが少しだけ聴こえてくる。その瞬間がたまらなく良い。
今、この瞬間のための全体像。大げさではなくそう思い、鳥肌が立つ。
難解ではあったものの、最後の最後に爽快感を持って来てくれた彼らのステージ。
ここ最近はわかりやすく、スタンダードなステージが多かったこともあり久々に”フリージャズ”を感じることができる貴重な一夜だった。


4月24日 出演者: 山口コーイチ、つの犬、松本健一
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

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来週5月1日、HOWLでのライブはお休みです。HOWLは通常営業となります。

2018.05.1(tue) ラ・フォル・ジェルネ TOKYO 2018 @池袋・東京芸術劇場 22:00 - 23:00

2018.05.8(tue)  19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

出演者:登敬三ts 山口コーイチpf 芳垣安洋ds 芳垣安洋cb

登敬三 プロフィール
1960年生まれ。テナーサックス奏者。京都在住。世界で活動。

山口コーイチ プロフィール
三歳よりピアノを始める。国立音楽大学卒。クラシック奏法、和声、厳格対位法、音楽分析、指揮法などを学ぶ。J.S.バッハの作品に10代より傾倒しそれは今も続く。パイプオルガンによる古楽演奏法を徳岡めぐみ氏に師事。ジャズは独学。在学中よりジャズ、タンゴ、即興演奏、バッハを中心にした演奏活動をはじめ、国内はもとより、epocus(永井朋生ds.カイドーユタカb)でのインドネシアツアー、渋さ知らズ(不破大輔)でのヨーロッパ、カナダと20カ国以上に上るツアーに参加し、各地の重要なフェスティバルや大劇場に出演。
2000年にはAAS(立花秀輝)で横浜ジャズプロムナードコンペティションにてグランプリ待遇。様々なレコーディングにピアニスト、オルガニスト、アレンジャーとして参加。
現在は「オンゾ アニマムジカ(w/青山健一 映像)」「シワブキ(w/磯部潤ds)」「ゲンゴクインテット(w/定村史朗vl.柴田奈穂vl.糸永衣里vla.不破大輔b.)」「山口コーイチカルテット(w/高橋保行tb.村田直哉tt.清水良憲b.)」「山口コーイチトリオ(w/不破大輔b.つの犬ds.)」を主宰。また「渋さ知らズオーケストラ(不破大輔)」「川下直広4(川下直広ts、不破大輔b、岡村太ds、山口コーイチp)」「リマタンゴ(廣澤哲ts.山口コーイチp.清水良憲cb)」「AAS(立花秀輝as.山口コーイチp.カイドーユタカcb.磯部潤ds)」等に参加、他にも様々なセッション、レコーディング、アレンジ等々。埼玉県ときがわ町在住。
PHOTO BY MURATA YOSHIKAZU

芳垣安洋 プロフィール
関西のジャズエリアでキャリアをスタートさせ、モダン・チョキチョキズ、ベツニ・ナンモ・クレズマー・オーケストラ、渋さ知らズなどに参加後上京。 渋谷 毅、山下洋輔、坂田明、板橋文夫、梅津和時、片山広明、巻上公一、ホッピー神山、大島保克、菊地成孔、オオヤユウスケ、高田漣、ヤドランカ、酒井俊、長谷川きよし、カルメン・マキ、おおたか静流、小島真由実、浜田真理子、カヒミ・カリィ、UA、原田郁子、John Zorn、Bill Laswellなど様々なミュージシャンと共演。 現在、ROVO、大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ、南博GO THERE、アルタード・ステイツや自己のバンドVincent Atmicus、Emergency!、Orquesta Nudge!Nudge!等のライブ活動の他、蜷川幸雄や文学座などの演劇や、映画の音楽制作も手掛ける。 メールスジャズフェスを始めとする欧米のジャズや現代音楽のフェスティバルへの出演や、来日するミュージシャンとの共演も多く、海外ではインプロヴァイザーとしての評価も高い。 レーベル「Glamorous」を主宰する。

不破大輔 プロフィール
1959年札幌生.フリージャズのベーシスト。渋さ知らズ主宰。 ’80年代に「のなか悟空人間国宝」「フェダイン」に参加。’89年「渋さ知らズ」結成。国内海外様々な場所で演奏。「風煉ダンス」「翠羅臼」「呉一郎」「発見の会」「戌井昭人」など劇伴作曲多数。 プロデューサーとして、佐々木彩子、南波トモ子、玉井夕海、十中八九、チョビ渋、川下直広カルテットの音源を手掛ける。 最新作は、渋さ知らズ『渋樹』。2000年代後半から各地でワークショップを行い、札幌では2010年より小学4年生から高校1年生の30名の子どもたちと3年間バンドワークショップを経験する。名前は「チョビ渋」。


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